伊勢新聞

2017年12月14日(木)

▼「当初の市の決定事項を覆したということは市の判断が間違えていたのか」と鈴鹿市議会文教環境委員会で。同委員会は市が提案した市内18運動施設などの次期指定管理者を否決した。市の決定事項を覆えせるのは、われわれ議会だけだみたいな鼻息である

▼「当初の決定を覆した」とされたのは、学識経験者などで構成する市の諮問機関「同市公の施設の指定管理者選定委員会」。「運用指針」で、指定管理者を選定するほか、市が非公募で指定管理者を選定する場合は、理由に対して意見を述べることができるとしている

▼18施設は平成25年度までは公募、翌年度から非公募になるなど、とかくの話題が尽きない。選定委は「市の説明を了とした」として、他の非公募施設の「妥当」という意見との違いをみせた。非公募に変えようとするなら「もう少し早い段階で」諮問をと、くぎをさしてもいる

▼議会委員会否決も今回で2度目。前回は本会議で1票差で可決した。利便性向上や地方公共団体の負担軽減が目的の指定管理者制度だが、地方では自治体幹部職員の天下り先の外郭団体への〝できレース〟的公募や継続委託が問題とされている

▼市体育協会は加盟団体に競争相手への非協力を文書で通知するなど、なりふり構わぬ争奪戦を繰り広げているが、市OBが運営する体協が非公募指定管理者として継続している例に四日市市がある。負けてはならじと津市体協も「サオリーナ」の非公募受託へ、あり余る〝政治力〟を発揮して、公募組と対決しているといわれる。いずこも同じ役人かたぎということか。