▼指定管理者候補者選定の議案が否決された場合の対応を鈴鹿市議会で問われ、担当部長は、選考過程で次点の団体を候補に昇格するか再公募するか、非公募を検討していくか―の3案を示した
▼手回しがよすぎではないか。議案として出した以上、成立に全力を尽くすのが執行部側としては当然の姿勢。採決前に問われたら「否決されることは想定していない」「仮定の質問に答えるのは控える」のが、提案者としての最低限の責任だろう
▼極めて異例、異常なやり取りがかわされるのにはそれなりの理由があるということか。公募だったスポーツ施設など8施設が、会長はじめ幹部に市OBがずらりと顔をそろえる特定非営利活動法人・鈴鹿市体育協会に一気に非公募で委託されたのは平成25年のことだ
▼指定管理者選定委員会では違和感が相次いだが、国体開催を控えた同協会の育成など、市の強い意向に押し切られる形で「市の考え方を了とした」としたが、今回は同じ理由で非公募継続を求める市の考え方をことごとく否定して公募を答申した。前回の不満の強さがうかがえる
▼市議会で公募候補を否決して体協が指定管理者となる例は他市であり、鈴鹿市議会も僅差で公募候補が承認されたことがある。担当部がその混乱の再燃を恐れたのが、前回の市の非公募提案だったと言われる
▼担当部長が体協幹部の市OBに「頑張ったんですが」としきりに釈明していたともいう。コスト削減策としての指定管理者制度は限界で、内容を充実すべきとも、市は説明していた。もっともとにわかに賛同していいかどうか。