伊勢新聞

2017年10月9日(月)

▼一度ならたまたま、二度でも偶然、しかし三度続けば―ミステリードラマの敏腕刑事なら、そう言って考え込むのではないか。県が2人の懲戒処分と1人の失職を発表した。うち2人は交通事故で態様すこぶるよくない

▼飲酒運転で免職処分になった県立看護大企画総務課の44歳の主査は午前10時過ぎと同11時過ぎ、亀山市と鈴鹿市のコンビニエンスストアで缶酎ハイを2本ずつ買って飲んで運転し正午ごろ、津市安濃町でセンターラインを超え接触事故を起こし、現行犯逮捕された。1時間ほど前にも亀山市内で接触事故を起こしていたという

▼亀山市で飲酒して事故を起こしたにもかかわらず、鈴鹿市でさらに飲酒して津市で事故を起こしたか。鈴鹿市で4本目を飲んで亀山市で事故を起こし、そのまま運転して津市でまた接触したか

▼7月にやはり津市安濃町で缶酎ハイを飲んで接触事故を起こした43歳の主査も県立看護大職員。「県民の信頼を損なった」と鈴木英敬知事が深謝。看護大も「二度とないよう更なる指導」とお定まりの一席。が、3カ月持たなかった

▼禁錮以上の刑を受けて失職した鈴鹿保健所の29歳の主事を含めて、いずれも健康福祉部の所属。先の敏腕刑事なら「偶然ではない」と断言するところだろう

▼県のHPの懲戒処分サイトには3カ月前の処分も消えている。教職員の処分ばかり数年分残っていて、それはそれでげんなりさせられるが、文書保存期間はお構いなしに早々に消してしまうのも、嫌なことはさっさと忘れちゃえという体質が露骨に表れているようでため息が出る。