▼希望の党への合流路線を確認した民進党の先月末の両院議員総会で、岡田克也元代表も「拍手していた」と、本紙「まる見えリポート」が県内党関係者の声を伝えていた。厳しい表情で会場をあとにし、報道陣の質問に一言も答えなかったと報じた全国紙も。ようやく無所属出馬を明らかにしたが、心の曲折をうかがわせる
▼解散時には、小池新党は「小選挙区で勝てない人たちの駆け込み寺」と評した。前回選でブームを起こした維新の党の三年余を引き合いに「ブームでは政治を変えることはできません」。安倍晋三首相の「ブームで未来は作れない」の発言と気脈を通じる
▼さらに攻勢を強める安倍首相に対し、岡田元代表は無所属出馬宣言で「希望の党にも多くの仲間がいます」と軌道修正。分派行動を何よりも嫌ったこれまでとは大きな変化だ。希望の党、無所属、枝野幸男代表代行の新党の候補者を人物本位で応援に駆けつけるという
▼「保守からリベラルまで幅広い支持を得なければ自民党に対抗できない」とし、希望の党は「自民に代わる政党の〝最終的な姿〟とは思っていない」という。枝野代表代行のリベラル新党も「政策的にしっくりこない」。三分裂した民進党の〝仲間〟を人物本位で支えることが、政権交代可能な政治を実現する信念にどう結びつくのか
▼希望の党に移れない約70人を置き去りにすることへの代表経験者としての責任も無所属出馬の理由という。情を行動規範にするのは珍しい。戦う相手は自民党で希望の党ではない、とも。希望の党の変化に希望を託しているのかもしれない。