2017年9月20日(水)

▼6月5日の県議会で、鈴木英敬知事が県立一志病院の運営形態について「県と市の役割分担も踏まえて方針を出したい」と表明した翌日、津市の前葉泰幸市長が記者会見で「『病院の経営を一緒にやろうよ』とすれば、それは難しい」と一蹴して第一ラウンドが終了。鈴木知事はこの15日の県議会で「地域の医療提供体制の確保は住民に身近な市町の役割」と、再びぐっと押し込んだ

▼共産党相手の時は別にして、反発にあうと途端に首を甲羅の中に縮めてしまう感のある知事にしては珍しい。「医療人材の育成は広域性の観点から県が関与すべき」と続けた。先に前葉市長が「われわれの責任である福祉分野にもっと関与していくという提案は、これからもしていける」と限定的協力を示唆したのに対し、限定的協力をするのは県の側だと言い返しているようでもある

▼6月段階では、津市との間で下交渉などなかったとし、県と市、三重大でつくる「津市白山・美杉地域における在宅医療・介護の提供体制等に関する検討会」に委ねるみたいな話だった。検討会がスタートした以上、三者の枠組み以外の下交渉は難しい。七日の市議会でも、津市は県全体に対する病院の役割を強調。市として「何ができるのか、何をしなければいけないか。関わり方の考え方をまとめて議論したい」と、交渉の気配はない

▼8月の検討会で、三重大教授が「やるべき人がやらない」と市を非難し、返す刀で「言うべきことを言う権限を持っている人が言わない」と県をばっさり。喝を入れられ、まず知事が飛び上がったのかも知れない。