伊勢新聞

2017年8月18日(金)

▼富山市議会の政務活動費不正から1年を区切りに共同通信が全国の主要99議会を対象にアンケートした結果、事件後領収書をインターネット公開した議会は三重県など8議会増え15議会に倍増した。めでたい話だが、かつて議会改革先進県として全国に名をはせた県が、先頭集団から脱落し第2グループで懸命に追いかけているイメージになっていないか

▼二元代表制や議会基本条例を打ち出した議会改革も、平成26年の通年議会開始で一段落。以後これといった目立った取り組みはなく、むしろ二元代表制確立の象徴でもあった議長の申し合わせ任期2年を1年に戻すなど、後退さえ印象づける

▼通年議会にしても県民にどんなメリットをもたらしているか、十分な議会からの発信は見えない。改選前に県議定数の条例を制定しながら、実施を改選後の次の選挙へと先送りし、改選後に選挙区調査特別委員会を再編。2年目に入り「議論は平行線をたどり」(三谷哲央委員長)条例は1度も実行されないままお蔵入りの可能性も。県民に逆にあきれられかねない

▼共同通信のアンケートは四種類の文書についてだが、うち視察報告書は3議会が新たに公開したという。ネット公開は新規四議会で計13議会。三重県議会はホームページでたどりつけないが、ネット音痴のせいか。視察報告書は昔、全国都道府県議長会の模範例を丸写ししているなどと問題になった。議会事務局に提供を求め拒否されたことも

▼議会事務局が議員のいいなりになっていたことも、富山市議会が異例の不祥事に揺れた一因といわれる。