伊勢新聞

2017年8月14日(月)

▼本紙『気象予報』欄に「熱中症対策を万全にしてお過ごしを」。熱中症の本格的シーズンがやってきた

▼桑名市で先月、82歳の女性が熱中症で死亡したが、当日の最高気温は二七・九度。クールビズで環境省が設定している冷房使用時の室温温度28度について副大臣会議で異論がでたのも当然だが、28度はエアコンの設定温度ではなく室温、と正しく理解していたのは四、五人に一人だと、三菱電機ビルテクノサービス(東京)がネット調査で明らかにした

▼オフィスに勤務する20~70代の男女計千人に聞いた結果、「室内温度を28度になるように調整すること」という正答は23・8%だった。室温28度のためにはエアコンの設定温度は26度にしなければならないという

▼温度に対する男女の体感の違いも、調査で改めて明らかになっている。エアコンの設定温度26度に対し、男性の39・8%が「ちょうど良い」で最も多かったが、女性は「寒い」が41%で最多だった

▼外出から帰ってすぐはどちらも26度で「ちょうど良い」のだが、時間経過とともに分かれるという。熱を生産する筋肉が男性は多いのに対し、女性は熱を遮断する皮下脂肪が多いのが原因。エアコンの設定温度を変えたことがあるという六割のうち、男性は六割強が下げ、女性は同六割が上げていた

▼クールビズを開始した時の環境相が小池百合子都知事だったことが副大臣会議で異論百出の伏線になっているのかもしれない。男女の室温設定権争いはこの時期恒例ともいう。服装に配慮することで互いに歩み寄りを。