2017年8月7日(月)

女性の着替えを盗撮した34歳の中学校教諭が逮捕、略式命令を受け免職処分になったと思ったら、下半身を露出したとして27歳の伊賀市職員が現行犯逮捕された。保育園で保育士として勤務し、子どもや保護者から信頼が厚かったという。衝撃もまた、大きいに違いない

▼医者と教師と、もう一つ何だったか。〝先生〟と呼ばれる人はすぐ職業が分かるし、世間知らずで非常識という話がある。診察室や教室という閉鎖空間で絶対的権力を振るっているからだという落ちだが、絶対的権力は絶対的に腐敗するという警句は、何も国の権力者に限らぬということか

▼「医は仁術」といい、「教師は聖職」という。前者は人の命を救い、後者は、人としてどうあるべきかを示す。医師は尊敬の対象ではなくなったと日本医師会会長当時、唐澤祥人さんが嘆いていたが、教師はどうか

▼向こう三軒両隣、ごく普通の「でもしか」や子ども好きの多数派が思いがけず〝聖人〟なって、自分を見失い、人間に戻れなくなったか。知らぬ間に孤独になり、歯止めをかけるすべを奪われた閉じられた空間の独裁者像が浮かぶ

▼執筆者は男に違いない、男のさがに甘すぎると言われそうだが、厳しい社会的制裁が待ち受けていることが確実なことを前提にした話ではある。「教師は聖職者か教育労働者か」と問いかけたのは平成初期の県教育長宮本長和氏である

▼しらけ世代、ゆとり世代、さとり世代と移りゆく世の流れの中で聖職者としての自覚を迫る、それに依存してきた教育研修のツケがあちこちに出てきているのかもしれない。