伊勢新聞

2017年8月4日(金)

▼二日付一面の「学校プールで児童溺れる」の記事と、同事故を扱った翌三日付本欄で「備え付けのAEDが使用不可の状況」とあるのは「AEDを使用したが、AED不要の表示だった」の誤りでした。おわびし訂正します

▼AED(自動体外式除細動器)は「意識」「呼吸」「脈拍」がない心肺停止状態のうち、心臓が痙攣しているのを改善する機器。心電図を解析して電気ショックが必要かどうかを自動判断するから、素人はともかく使用してみることが大切だが、四日市市教委によると、事故の一報は「意識もうろう」状態で、駆けつけた救急隊員が脈を取った時は振れていた。電気ショックは不要、すなわち心臓発作ではなかったということである

▼開放プールの運営はPTAなどに委嘱している。シーズン前には監視員対象に救命講習を実施。当日は基準を一人上回る七人体制で目を光らせていたが事故は発生し、ICU(集中治療室)治療という深刻な事態が続いた。なぜか。「消防を中心に、事故状況を聞き取りしている」と市教委

▼市が今年、厳格さを求めた安全管理基準では「保護者の負担が大きい」と言うのは、開放プール運営の中止を決断した鈴鹿市の22校の小学校のうちの一校のPTA会長。資格を持つ業者に委託する案も、PTA予算では無理だった。市からの委託費8万5千円を加えてもとてもとてもということだろう

▼四日市市が格別手厚い体制を取っていると言えるかどうか。学校施設の開放は地域活動の拠点作りの一環として奨励されている。街づくりの視野で考えていく必要がある。