伊勢新聞

2017年7月24日(月)

▼民進党県連が「阪口氏公認取り消し申請へ」の本紙見出しで、またも内紛が、と勘違いしたのは失礼千万、恐縮至極だった。前回衆院選直前の混乱がトラウマになっているせいだが、事実は県内小選挙区の一減と区割りの大幅変更に伴い、旧4区候補者の阪口直人氏が退き、旧5区の元衆院議員の藤田大助氏が新4区に回る「スムーズな調整」(芝博一代表)にめどを付けたという、勘違いとは真逆の内容だった

▼もっとも、この段取りが内定したのは5月。申請まで時間がかかったものだが、この間に「動けず」などと言って、6月の県連大会でも川崎二郎衆院議員が難航を口にしていた自民党は一週間前ほぼまとまり、並ばれた感

▼むしろ地方議会議員連絡協議会の松阪・多気ブロックを分割するなど、激変する1、2区中心に自民党は区割りに合わせて活動を活発化。各候補も拠点作りを着々進め、先行の気配もある。民進党は政治塾の再開など、党勢の拡大には腐心しても具体的戦術はどうか。選挙時に幹事長が就いてきた選対委員長ポストを常設にし幹事長が兼務するなどは、一体何だという気はする

▼自民党の都議選惨敗は、国民不在の国会答弁が原因とされる。民主党の敗因は、都市型選挙を繰り返してきた党が支持率を回復できないことでの必然、と言われたりする

▼その点県の場合、どぶ板選挙でも自民に引けをとらない。世界的に社民勢力が低調の中で躍進した英国労働党に続くことも夢ではない

▼県民不在の県議定数、区割り案の民主党系会派主導などは国政選挙に影響しないということかもしれない。