2017年7月5日(水)

▼伊勢市が真珠のネックレスなどをふるさと納税の返礼品から外す考えを明らかにした。宿泊施設での補助券はすでに廃止している。鳥羽、志摩両市が真珠製品と感謝優待券の継続を総務省に要請して跳ね返されたばかり。伊勢市の奥座敷を任じて日ごろ一体感を強調する両市としては、何ともつれない判断を聞く思いがしたのではないか

▼真珠が返礼品になることはほとんどないということで、事情は大きく変わるものの、伊勢市は「高額」の基準を今後決めていくとしている。真珠が「高額な宝飾品」ということで総務省と一致している。大方の認識はそうだということだろう

▼賛否が必ずあるのが政策決定の場で、反対側をいかに説得するかが知事の仕事というのが鈴木英敬知事だが、「過度な返礼品競争にならないようにするということは大事」と政府の要請に肩を持ちつつ「真珠は高価かもしれませんけど水産加工業でもあるわけです」と、同じ宝飾品でも鉱業はダメだが、水産業ならいいみたいな論法で地元にも理解を示す

▼「じゃあどういう落としどころにしていくのか」と、県の立ち会いで総務省と鳥羽、志摩両市との意見交換の場を設定した。市町と国では国の方が力が強かったりするケースもあるので「両方の思いが交差するようにするのが県の役割」。結果は取りつく島もなかったかに見えたが、知事の説得力、政治力が発揮されるのはこれからか

▼岐路に立つふるさと納税である。知事ら全国の首長も今後に向けていろんな動きがあるようだが、鈴木知事はそんなグループに「まだ入ってない」そうだ。