2017年6月13日(火)

▼「パナマ文書」に登場するタックスヘイブン(租税回避地)利用者のうち日本の個人や法人を国税当局が調べた結果、総額10億円を超える申告漏れが見つかった

▼日本関連は法人270社以上、個人約230人、外国人約八十人、企業約二十社。大部分に違法性はなく、政治家や関係者の不正は見つからなかったというが、タックスヘイブン利用のメリットは〝合法的な大幅節税〟にある

▼国内で「タックスヘイブン」の異名があるのがふるさと納税だ。2千円の負担で返礼品を購入した計算で、所得税や市民、県民税に回るはずの寄付金が戻ってくる

▼市民税の控除額が約1億円以上となり「地域を応援する趣旨から外れ、過度な返礼品競争の割を食った」と四日市市の森智広市長が「非常事態宣言」を出したが、税収減には交付税措置もあり、高額寄付者の節税対策を税金で支援している側面もある

▼真珠製品が「資産性の高い宝飾品」として総務省から自粛を求められた鳥羽市と志摩市が「見直す予定はない」。近く県を入れて同省と意見交換の場を設けるという。「返礼品の競争が過度にならないようにすることは大事」「地域の産業振興も大事」と鈴木英敬知事が四方八方、気を遣う

▼マイナンバー(個人番号)制度のカード交付率は7・02%で全国を下回る。県市町行財政課は「カードを作りたいと思ってもらえる魅力が弱い」。高齢者向けの無料乗車サービスを付けたり、コンビニ交付サービスをしてスズメの涙ほどの効果があったという。低所得者層の所得把握はますます先行していくことになりそうだ。