伊勢新聞

2017年5月20日(土)

▼県議会議長選で無効票が出たのは、一年で退くと表明しながら理由は「会派代表に聞いて」と発言した舟橋裕幸議員への不信があるらしい。ご本人は「私が議長に適任者ではないとする意見の表れだと思う」

▼かくすればかくなるものと知りながらやむにやまれぬ大和魂、ということか。「前任者と違い二年も務められる器ではない」とは口が裂けても言えないということだろう。舟橋裕幸は男でござる―か

▼会派代表の三谷哲央議員は代表者会議で「会派として議長を二年間支える体制が不十分」。自身が議長の時は二年間支えてもらい、支える番になって「二年はとても」とはなかなか言えないことの気もするが、こちらは必要とあれば「それほど器の大きい会派ではございません」とさらりと言えるのかもしれない

▼長く申し合わせ任期一年だった議長任期を二年にしたのは二元代表制の一環だった。四年任期の知事が代表の執行部と渡り合うのに議会代表が一年交代の細切れでは太刀打ちできないというわけである。その一番手が三谷議員で、次の山本教和議長は全国都道府県議長会会長に。議会の重みを増したのは間違いない

▼自民が一年に戻してから、三谷議員はことあるごとに二年復活を主張してきたのではなかったか。一転「二年体制は不十分」。三谷代表もまた、二年で二人の議長を誕生させざるを得ないなどの会派都合の前に二元代表制も議会改革も、いったん膝を屈せざるを得ないということか

▼水谷隆副議長が「少し議会改革が停滞しているのではないか」。気づいた時は手遅れとならなければ幸い。